初心者でも安心！クラウド会計で始める経理入門完全ガイド

クラウド会計とは？基本からメリットまで

クラウド会計の概要と仕組み

　クラウド会計とは、インターネットを通じて利用できる会計ソフトを指します。従来の会計ソフトはパソコンにインストールして使用する形式が主流でしたが、クラウド会計ソフトはオンライン環境さえあれば、どこからでも利用可能です。特に経理初心者のためのクラウド会計超入門として、この手軽さが最大の魅力といえます。

　クラウド会計ソフトは、取引データの自動収集やAIを活用した仕訳入力の効率化を可能にする仕組みを備えています。また、複数のユーザーが同時に利用できるため、経理担当者だけでなく外部の税理士や公認会計士ともリアルタイムで連携がとれ、経理作業をDX（デジタルトランスフォーメーション）化する助けとなります。

従来の会計ソフトとの違い

　従来の会計ソフトとクラウド会計ソフトの最も大きな違いは、そのアクセス方法とデータ管理方式にあります。従来の会計ソフトはパソコンにインストールし、データはその端末内またはローカル環境で管理していました。一方でクラウド会計ソフトは、インターネット上のサーバーにデータを保存する仕組みを採用しており、これによりデバイスや場所を問わずアクセスが可能となります。

　さらに、クラウド会計ソフトはアップデートが自動的に行われるため、常に最新の機能や法改正に対応した状態で使用できます。この点は経理において法令順守が重要な企業にとって大きな利点です。初心者にとってもシンプルなインターフェースと直感的な操作性が提供されている場合が多く、導入のハードルが低いのも特徴です。

クラウド会計導入のメリット

　クラウド会計ソフトを導入する最大のメリットは、経理業務の効率化と正確性の向上です。例えば銀行口座やクレジットカードを連携することで、取引データが自動で取り込まれ、仕訳の大部分が自動化されます。これにより、経理初心者でも複雑な仕訳処理に悩むことが少なくなります。

　また、クラウド会計はデータのリアルタイム共有を実現するため、経営者や経理担当者が最新の財務状況を即座に把握できるようになります。これにより、意思決定のスピードが向上し、効率的な経営が可能となります。さらに、クラウド環境を活用することで、データ損失のリスクが軽減し、セキュリティ面でも安心感があります。

　特に経理初心者にとっては、使いやすいUI（ユーザーインターフェース）や充実したサポート体制が備わったソフトが多い点もおすすめの理由です。

クラウド会計導入前に確認すべき注意点

　クラウド会計ソフトは多くの利点がある一方で、導入前に確認すべきポイントもいくつか存在します。まず、インターネット環境が必要不可欠であるため、安定した接続環境が整っているかを確かめておくことが重要です。

　また、ソフトによって提供される機能やサポート体制が異なるため、導入の際には自社の業務内容やニーズに合ったサービスを選ぶことが求められます。例えば、AIや自動仕訳機能が充実しているものを選ぶことで、初心者でも効率良く経理を進められる可能性が高まります。

　さらに、ソフトの料金体系についても事前に確認しておきましょう。サービスによって月額制や一年契約など異なる料金形態があり、導入後にコスト負担が大きくなりすぎないよう注意が必要です。また、複雑な業務で使用する場合には、勘定科目のカスタマイズ性やAPI連携の有無もチェックしておくと良いでしょう。

クラウド会計ソフトの選び方とおすすめツール

経理初心者向けソフトの選び方

　経理初心者にとって、自分に合ったクラウド会計ソフトを選ぶことは非常に重要です。まず考慮すべき点は、初心者でも直感的に操作できる使いやすいインターフェースがあるかどうかです。簿記や仕訳の知識があまりない人でも、ガイド機能やサポート機能が充実しているソフトであれば安心して利用できます。

　また、自動仕訳機能やAIを活用した分析機能など経理業務を効率化できる点も重要です。例えば、日々の取引を自動で分類して勘定科目に反映させる機能が備わっているものは、手動の入力作業を大幅に減らせます。このようなクラウド会計ソフトは、経理初心者にとっての入門ツールとして最適と言えるでしょう。

　さらに、導入時のコストやランニングコストも選択のポイントです。小規模事業者や個人事業主で予算が限られている場合は、無料トライアル期間があるソフトや、月額費用がリーズナブルなものを検討するのがおすすめです。

ソフト選びのポイント：機能、料金、サポート体制

　クラウド会計ソフトを選ぶ際のポイントは、主に「機能」「料金」「サポート体制」の3つです。

　機能面では、自動仕訳や請求書発行、決算書作成など、利用者の業務を効率化するための機能が揃っているか確認しましょう。また、勘定科目の設定が柔軟に対応できるかどうかも重要です。特に経理初心者の方には、AIを活用した仕訳提案機能が役立ちます。

　料金に関しては、自社や自身の規模に応じたプランを検討することが大切です。無料トライアルが用意されているソフトも多いため、複数のソフトを試しながら費用対効果を見極めるのがおすすめです。

　さらに、サポート体制も見逃せません。初心者が初めて会計ソフトを操作する際、わからない点が出てくることは珍しくありません。オンラインチャットや電話でのサポート、あるいは操作マニュアルやヘルプ機能が充実しているかを確認しておきましょう。

実際の利用者の口コミと体験談

　実際にクラウド会計ソフトを利用した人々の体験談を参考にすることは、選択の際に非常に役立ちます。たとえば、「freeeを使い始めてから、税務申告のストレスが減った」という声や、「弥生会計なら税理士さんのサポートを受けやすい」といった意見が多く見られます。

　また、マネーフォワードを利用している人からは、「データの可視化が進み、経営の意思決定に役立っている」という声も聞こえます。このように、それぞれのソフトが得意としている点を比較し、自分に合ったものを選ぶことが大切です。

　口コミやレビューは公式ページや専門サイトだけでなく、SNSやブログなどでも確認できます。特に経理初心者の方が書いた体験談などは、実体験に基づいた具体的なアドバイスが含まれることが多いので参考になるでしょう。

クラウド会計を使い始めるための初期設定

クラウド会計ソフトの基本設定

　クラウド会計ソフトを利用するためには、まず基本設定を行う必要があります。この段階では、会社情報の入力が主要な作業になります。具体的には、会社名、所在地、業種、税務情報などを入力します。これらの情報は帳簿や決算書の作成に必要なため、正確に登録することが重要です。また、経理初心者向けのクラウド会計ソフトでは、初期設定ガイドやサポート機能が充実しており、誰でもスムーズに設定を完了させることができます。

銀行口座やクレジットカードの連携方法

　クラウド会計ソフトの大きな特徴は、銀行口座やクレジットカードの取引情報を自動取得できる機能です。これにより、経理初心者でも簡単に取引データの管理ができます。連携方法は、ソフトにログインして「銀行口座の登録」や「カード連携」のメニューから進めます。登録時に、金融機関のウェブサイトへログインするための情報が必要になる場合があるので、あらかじめ準備しておきましょう。これにより、AIを活用した仕訳の自動化や取引確認が可能となり、経理業務を効率化できます。

勘定科目の設定と基本的な仕訳登録

　クラウド会計ソフトを利用する際、最初に勘定科目の設定を行います。勘定科目は「資産」「負債」「収益」「費用」などのカテゴリーに分類され、取引の内容を記録するラベルのようなものです。ソフトによっては、標準的な勘定科目がすでに登録されているため、それを基に必要な調整を行えば良い場合もあります。さらに、経理の基本となる仕訳登録を練習することも重要です。例えば、「商品を販売して現金を受け取った場合」の仕訳としては「売上（収益）」を借方に、「現金（資産）」を貸方として記録します。初心者の方は、クラウド会計ソフトのテンプレートや解説機能を活用して、この作業に慣れることをおすすめします。

初期データのインポート手順

　クラウド会計ソフトに切り替える際には、過去の取引データや顧客情報をインポートする場合があります。これにより、従来の会計業務のデータを引き継ぎながら、スムーズに移行することができます。インポート手順としては、まずこれまで使っていたソフトやエクセルデータを確認し、クラウド会計ソフトが対応している形式（CSVなど）にデータを整形してください。その後、クラウド会計ソフトの「初期データインポート」機能を利用して取り込みます。多くのクラウド会計サービスでは操作ガイドやヘルプが充実しており、経理初心者でも安心して作業を進めることができます。初期データが正確に入力されていると、日々の経理や決算時の作業がスムーズになります。

初心者が知っておきたいクラウド会計の活用術

日々の経理業務を効率化するポイント

　クラウド会計を利用することで、経理業務を大幅に効率化できます。例えば、銀行口座やクレジットカードの取引データを自動で取り込む機能を活用すると、自動的に仕訳が行われ、手作業での入力が不要になります。また、取引先や科目を一度登録しておくことで、次回以降の入力が簡単になる点も特徴です。特に経理初心者の場合、日々の入力作業をシンプルにすることで、ミスを防ぎつつ業務時間を短縮できるメリットがあります。

仕訳自動化を活用した作業の簡略化

　クラウド会計ソフトの大きな利点は、AIを活用した仕訳自動化機能です。経理初心者が特に煩雑と感じる仕訳作業を、ソフトが自動で分類・登録してくれるので、初心者でも安心して始められます。例えば、取引履歴から繰り返しのパターンを学習し、自動的に適切な勘定科目を提案する仕組みがあるため、経理作業の負担を軽減できます。この機能を積極的に活用することで、経理業務のDX（デジタルトランスフォーメーション）を実現できます。

決算期や確定申告で役立つ機能

　決算期や確定申告は、経理初心者にとって最も負担が大きい時期ですが、クラウド会計ソフトがあれば作業を効率よく進められます。代表的な機能として、自動レポート作成機能が挙げられます。日々の取引データが適切に入力されていれば、決算書や確定申告書のベースとなるデータを自動で生成してくれます。また、税制改正に対応した最新情報が自動で反映されるため、制度改正に関する知識が少ない初心者でも安心して使用できます。

エラーや入力ミスを防ぐ方法

　エラーや入力ミスを防ぐことは、経理業務において非常に重要です。クラウド会計ソフトでは、入力ミスを防ぐためのサポート機能が多く搭載されています。例えば、入力段階で不適切な勘定科目や異常な金額がある場合、自動的に警告が表示される仕組みがあります。また、始めから取引ルールを詳細に設定しておけば、ソフト側で矛盾を検出しやすくなります。これにより、経理初心者でも正確な帳簿管理を実現できます。

投稿者プロフィール

武石大介: 2017年に公認会計士試験に合格し、監査法人で複数年にわたって監査経験を積んできました。また公認会計士試験の合格前後に2社設立と3つの新規事業を行った経験があります。1社事業は売却、1社はクローズしました。

現在は独立し、会計士としての専門知識と自身の起業・事業経験を活かし、会計・財務支援をはじめ、起業・経営に関するアドバイスも行っております。
具体的には、資金調達・補助金申請サポート、財務分析、事業計画の作成支援、記帳代行など、実務的かつ実践的な支援が可能です。