費用相場を解説！税理士に依頼した場合の確定申告コストを徹底比較

税理士に確定申告を依頼する基本情報

税理士に確定申告を依頼する主な理由

　税理士に確定申告を依頼する主な理由は、専門知識を活用して正確かつ効率的に申告を済ませることができる点にあります。特に、確定申告を初めて行う場合や税金計算に自信がない場合、専門家である税理士に任せることでミスを防ぎ、必要な税務処理を安心して進めることができます。また、税理士のアドバイスを受けることで節税の可能性が広がり、最適な申告方法を提案してもらえる点も大きなメリットです。さらに、個人事業主や副業をしている会社員にとって、確定申告の作業負担を軽減できるため、業務効率化につながります。

対象となる申告内容と依頼範囲

　税理士に依頼できる申告内容は多岐にわたります。例えば、給与や副業の収入がある方の通常の確定申告、医療費控除やふるさと納税などの控除に関する申告、不動産収入や土地売却による譲渡所得の計算などが挙げられます。また、依頼範囲も柔軟に選ぶことができ、記帳代行や帳簿作成などの日々の経理業務を含めた総合的なサポートをお願いすることも可能です。特に、青色申告を行う場合に必要な「複式簿記」の記帳が苦手な方にとっては、税理士のサポートが非常に心強い存在となります。

確定申告の必要性とタイミング

　確定申告は、特定の条件に該当する所得がある方には必須の手続きです。個人事業主やフリーランスの方、副業で一定の収入を得ている会社員などは、年間の所得や経費を正確に計算し、所得税を確定する必要があります。2024年分（令和6年分）の確定申告期間は、2025年2月17日（月）から3月17日（月）までとなっていました。この期間中に申告を済ませることが求められますが、事前の準備が重要です。領収書や控除関連の書類など、必要な資料を早めに用意しておくことで、スムーズな申告が可能になります。また、税理士に依頼する場合は、早めの相談や準備が必要です。特に繁忙期には税理士のスケジュールが埋まりやすいため、余裕を持ったスケジュールで取り組むことが重要です。

税理士費用の相場とは？

スポット依頼と顧問契約の違い

　税理士に確定申告を依頼する際には、単発で依頼する「スポット依頼」と、日常的な経理業務も含めた「顧問契約」の2種類があります。スポット依頼は確定申告時のみの利用となるため、短期間かつコストを抑えたい方に適しています。一方、顧問契約は毎月の帳簿作成や税務相談などを含む継続的なサポートを受けられるため、長期的に税理士の助けを必要とする事業主におすすめです。

　費用面ではスポット依頼の相場は一般的に5万円から15万円程度ですが、顧問契約を結ぶと月額費用として1万円から3万円程度かかる場合があります。具体的な金額は事業規模や業務内容により異なるため、依頼する際は事前に準備リストを用意し、相談することが大切です。

青色申告・白色申告での費用差

　確定申告には青色申告と白色申告がありますが、節税のメリットが大きい分、青色申告の方が手続きや書類作成が複雑です。そのため、税理士に依頼する場合の費用も異なります。白色申告の場合、比較的手続きがシンプルであるため、費用は数万円で済むことが一般的です。

　一方、青色申告の場合、帳簿作成や複式簿記が必要となるため、サポート範囲が広がります。その結果、税理士費用は5万円から10万円以上になることが多いです。このように、どの申告形式で依頼するかによって費用に差が出るため、事前に申告内容を整理し、税理士に詳細を相談することが重要です。

記帳代行・税務相談を含む場合のコスト

　税理士に依頼する場合、確定申告の代行だけではなく、記帳代行や税務相談を含むケースもあります。記帳代行は、日々の仕訳や帳簿管理を税理士に任せるサービスであり、特に帳簿作成が苦手な個人事業主やフリーランスの方に人気があります。費用は一般的に月額1万円から5万円程度です。

　さらに、税務相談を組み合わせると節税対策の提案や税務リスクに関する助言を受けられますが、これに応じた費用の追加が発生します。これらのサービスを包括的に依頼する場合、年間の総コストが10万円から20万円程度になるケースが多いです。必要な範囲を明確に定めることで、無駄な費用を抑えることがポイントです。

依頼内容別の費用目安

　税理士に依頼する費用は、依頼内容によって具体的に異なります。例えば、サラリーマンの副業に関する確定申告ならば、費用は5万円から10万円程度が相場です。個人事業主やフリーランスが依頼する場合、年間5万円から10万円程度が目安になります。

　さらに、不動産売却や株式取引など、特殊なケースの場合の費用は10万円から20万円と設定されることがあります。また、医療費控除やふるさと納税などの簡易な申告であれば、数万円程度で済む場合もあります。そのため、税理士への依頼内容をチェックリストにまとめ、準備を進めることで、適正な費用で最適なサポートを受けることが可能です。

税理士に依頼することのメリット・デメリット

税理士依頼の最大のメリット：節税効果

　税理士に確定申告を依頼することで得られる最大のメリットは、適切で効率的な節税対策が可能になる点です。税理士は税法に精通しており、控除や減税の適用条件を熟知しています。そのため、自分自身で処理する場合に比べて節税効果が大きくなることが期待できます。また、記帳や書類整理の段階で経費になる項目を詳細に把握してもらえるため、帳簿の見直しを通じてさらなる節税の可能性を追求できるのも大きな魅力です。

時間・手間の削減と業務効率化

　確定申告時に税理士に依頼することで、手間を大幅に削減し、業務効率化を図ることが可能です。確定申告の準備リストに含まれる領収書や請求書などの整理、帳簿の作成、税法の確認といった煩雑な作業を税理士に任せることで、本業に集中する時間を確保できます。特に個人事業主やフリーランスにとって、この効率化は大きなメリットとなります。また、税務書類に関するミスが防止されることから、税務署への申告時のストレスも軽減されます。

費用負担の注意点と個人で対応する場合の比較

　税理士に確定申告を依頼する際、費用が発生する点はデメリットとなり得ます。依頼内容や契約形態によりますが、費用相場はサラリーマンの副業で5万円～10万円程度、個人事業主の場合は年間5万円～15万円程度となっています。この費用を負担する必要があるため、事前に予算を計画的に設定し、税理士への依頼範囲を明確にすることが重要です。一方、個人で全て対応する場合、費用はかかりませんが、申告書の作成や税務知識の学習に多くの時間と労力が必要となります。そのため、コスト対効果を考慮し、自分に最適な選択をすることが求められます。

税理士費用を抑えるポイントと選び方

無料相談を活用する方法

　税理士への依頼を検討している場合、一部の税理士事務所やオンラインサービスで提供されている無料相談を積極的に活用することをおすすめします。この無料相談を利用することで、税理士が提供する具体的なサービス内容や費用相場について事前に把握することが可能です。また、確定申告時に税理士に頼むときの準備リストやチェックリストについて、無料相談の際にアドバイスを受けることができる場合もあります。特に初めて税理士に依頼する場合は、こうした無料相談を通して自分の状況に合った依頼内容を見極めましょう。

明確な予算設定と費用交渉

　税理士に確定申告の依頼をする際には、あらかじめどのくらいの費用をかけられるか明確にしておくことが重要です。費用相場は依頼内容や業種によって幅がありますが、自分の予算に合った提案を税理士に依頼するだけでなく、必要に応じて費用交渉を行いましょう。また、自分でできる部分（例えば、一部の書類の用意など）は事前に準備をしておくと、税理士への負担も軽くなり、費用を抑えられる可能性があります。

オンライン税理士サービスの利用

　最近では、オンラインで手軽に依頼が可能な税理士サービスが増加しています。これらのサービスは、従来の税理士事務所よりも低コストで利用できる場合が多く、小規模事業やフリーランスの方でも利用しやすい特徴があります。また、オンラインツールを活用することで確定申告の準備や進捗管理が効率化されるため、時間的な負担も軽減されます。有名なオンラインサービスとして「freee会計」や「マネーフォワードクラウド確定申告」などがあり、これらを検討することで費用面・効率面でのメリットを享受できるでしょう。

口コミやレビューを参考に選ぶ基準

　信頼できる税理士を選ぶ際には、実際にその税理士のサービスを利用した人々の口コミやレビューを参考にすることが有効です。特に、確定申告の依頼経験者がどのようなメリットやデメリットを感じたのかを把握することで、依頼する上での不安を軽減できます。また、費用相場やサービスの質についてリアルな情報が得られるため、納得のいく選択がしやすくなります。口コミサイトだけでなく、知人や同業者からの紹介も有益な情報源となるでしょう。

信頼できる税理士を見つけるコツ

　信頼できる税理士を見つけるためには、まずは依頼したい内容を明確にし、その業務に特化した経験や実績を持つ税理士を選ぶことが大切です。また、税理士法に基づいて正式に登録されているかを確認することは基本です。その上で、複数の税理士と事前に面談や相談を行い、自分の希望や依頼内容を理解してくれるかどうか判断しましょう。長期的な顧問契約を検討する場合は、コミュニケーションの相性や対応スピードも重要なポイントです。自分のビジネスや個人の状況に寄り添ったアドバイスを提供してくれる税理士は、長期間にわたって頼りになる存在となるでしょう。

投稿者プロフィール

武石大介: 2017年に公認会計士試験に合格し、監査法人で複数年にわたって監査経験を積んできました。また公認会計士試験の合格前後に2社設立と3つの新規事業を行った経験があります。1社事業は売却、1社はクローズしました。

現在は独立し、会計士としての専門知識と自身の起業・事業経験を活かし、会計・財務支援をはじめ、起業・経営に関するアドバイスも行っております。
具体的には、資金調達・補助金申請サポート、財務分析、事業計画の作成支援、記帳代行など、実務的かつ実践的な支援が可能です。