初めての補助金申請必見！実績報告書の書き方と注意点

実績報告書の重要性

実績報告書とは何か

　実績報告書とは、補助金を受けて実施した事業について、その結果や取り組みを具体的に示すための公式な書類です。採択された補助事業が計画通りに実施されたかどうか、その成果が期待通りであったかを記録し、提出する役割があります。この報告書の作成と提出は、補助金採択後にやるべき重要な「報告書」対応の一つであり、「事業実施・実績報告の手引き」に基づいて正確に記載する必要があります。

補助金確定における役割

　実績報告書は、補助金が最終的に確定されるための重要なステップです。補助金は採択が決定した時点で確保されるわけではなく、事業終了後に実績が報告され、その内容が適切であると判断された時点で初めて交付が行われます。このため、実績報告書は事業の透明性を示す重要なツールであり、不備があれば補助金が支給されないリスクもあります。報告書の内容次第では審査で問題が指摘され、多大な時間と手間がかかることになるため、慎重な作成が求められます。

実績報告書が必要とされるタイミング

　実績報告書は、補助事業が完了した後に提出する必要があります。具体的には、交付決定通知書に明記されている「事業完了報告期限」までに作成し、所定の方法で提出することが求められます。一般的には、事業終了日から数週間以内に報告書の提出が義務付けられており、この期限を過ぎると補助金が支給されない場合もあるため注意が必要です。また、場合によっては証拠書類や関連資料とともに提出する必要があるため、事業実施中から情報を整理しておくことが重要です。

実績報告書の基本構成

記載すべき基本情報

　実績報告書では、まず「基本情報」を正確に記載することが求められます。この基本情報には、申請者名、事業名、補助金の交付決定番号、事業実施期間などが含まれます。これらは、運営機関であるミラサポplus運営事務局が迅速かつ正確に事業を特定し、審査を進めるために不可欠な項目です。申請時に提出した内容と一致しているかを再確認し、ミスや記載漏れがないよう注意しましょう。

補助事業の実施内容の記録

　補助金実績報告では、補助事業の実施内容を具体的に記載する必要があります。これは「事業実施・実績報告の手引き」に記載された事項に基づき、事業の達成状況を運営機関に説明する役割を果たします。たとえば、小規模事業者持続化補助金を活用して販促イベントを実施した場合、その規模や参加者数、配布資料の内容などを数値とともに具体的に示しましょう。実際に行った活動が、補助事業計画書に記載した内容と一致していることを証明することが極めて重要です。

経費内訳と支出証拠の整理

　補助金申請後に行うべき「報告書」対応の中でも、「経費内訳」や「支出証拠」の整理は非常に重要です。補助事業に使用した経費について、領収書や請求書など具体的な支出証拠を添付しながら内訳を明確に示しましょう。証拠書類の一部が欠けていたり不適切だった場合、補助金が減額される可能性がありますので、注意深く取り組むことが求められます。また、経費の記録が実施内容と整合しているかを確認することも忘れないようにしてください。

提出書類一覧と添付の注意点

　実績報告書の提出には、必要な添付書類を含めることが必須です。たとえば、補助対象経費の証拠書類としての領収書コピーや支出内訳表が一般的な提出項目に含まれます。また、事業実績を示す成果物がある場合、それも添付が必要です。「事業実施・実績報告の手引き」をよく確認し、不足書類がないようにチェックリストを活用することをおすすめします。さらに、電子申請を行う場合には、ファイル形式や容量制限といった提出要件も満たす必要があるため、事前に余裕をもって準備を進めましょう。

注意点とよくある失敗例

参加事業計画との整合性の確認

　補助金の実績報告書を作成する際には、最初に申請した事業計画と実施内容の整合性を確認することが重要です。補助金採択後にやるべき「報告書」対応ガイドでも強調されている通り、事業計画に基づき実施した内容と成果を正確に記載する必要があります。計画とのずれが大きい場合、意図せず予定外の支出や変更をしてしまっていないか事前に見直すことが大切です。特に、計画変更が必要な場合は事前に運営機関への申請が求められる場合があるため、「事業実施・実績報告の手引き」にならい、適切な手続きを行うことを忘れないようにしましょう。

経費水増しや記載漏れのリスク

　補助金実績報告では、経費の詳細な明示と証拠書類の提出が必要です。しかし、不注意により経費を誤って水増ししてしまったり、一部の記載漏れが発生してしまうと、大きな問題につながる可能性があります。申請書に記載した計画と経費の整合性を確認し、領収書や証拠書類を整理する習慣をつけることが重要です。また、虚偽の経費記載が発覚すると、最悪の場合には補助金の返還要求や信頼喪失につながるリスクがあります。そのため、経費管理は慎重に行い、「補助金実績報告」の際には正確性を第一に考える必要があります。

期限に間に合わない場合の対応

　補助金実績報告を期限内に提出することは、申請者として果たすべき最低限の義務です。期限に間に合わない場合、補助金の交付遅延や場合によっては受け取り不可となる可能性もあります。万一提出が難しい状況となった場合は、すぐに運営機関に連絡し、減免理由を説明して適切な指導を受けることが求められます。事前に余裕を持って準備を進めることが、こうした事態を防ぐ唯一の方法です。特に多忙な経営者の方には、進捗管理ツールなどを活用して提出期限をきちんと把握することをおすすめします。

不適切な支出の例

　補助金実績報告書に記載するとき、補助対象とならない支出を誤って含めてしまうケースがあります。不適切な支出としてよくある例は、個人的な用途の経費や計画に含まれていない追加費用などです。「補助金実績報告」を作成する段階でこうしたミスを避けるためには、支出を行う前に補助対象であるかどうか運営機関のガイドラインをしっかり確認することが大切です。また、領収証を使用する場合でも、目的や内容が明確に記載されていることを確認するようにしましょう。不適切な支出が含まれると、交付対象外とされたり、報告書の再提出を求められる可能性があります。

効率的な実績報告書作成のコツ

日常的な経費記録の重要性

　実績報告書の作成を円滑に進めるためには、日常的な経費記録が非常に重要です。補助金事業が採択された後、適正な経費の管理は報告書作成の基盤となります。「補助金実績報告」では、支出が補助対象経費であることを明確にする必要があり、レシートや請求書、領収証の保管が必須です。これらを整理しておくことで、報告書作成時に証拠書類不足で困るリスクを減らすことができます。また、具体的で正確な経費管理は、補助事業の進捗も可視化し、関係者間のスムーズな連携をサポートします。

進捗管理ツールの活用法

　効率的な「事業実施・実績報告の手引き」として注目されるのが進捗管理ツールの活用です。事業の進捗や経費をリアルタイムで把握するために、スプレッドシートや専用のプロジェクト管理アプリを使用することをおすすめします。これにより、「補助金採択後にやるべき『報告書』対応ガイド」の参考となるデータを簡単に記録・整理できます。こうしたツールは、タスクの進捗や期日管理を見える化するため、報告書の提出直前になって慌てる事態を回避するのに役立ちます。

早めの提出準備が肝心

　「補助金実績報告」の締切に間に合わせるためには、早めの準備が欠かせません。実績報告書には、補助事業の内容や経費の詳細をまとめる必要がありますが、書類不足や記載ミスが発覚すると修正のために時間がかかります。ミラサポplus運営事務局が発行する「補助金申請のガイドライン」を参照しながら、提出形式や必要書類を事前に確認してください。また、スケジュールを立てて進めることが、余裕をもった作業を実現するキーとなります。早めの作業開始は、報告内容がより正確で充実したものになり、審査のスムーズな通過につながります。

担当者や専門家との連携

　記載内容や提出方法に不明点がある場合は、早めに担当者や専門家に相談することも効率的な対策です。「補助金実績報告」では、些細なミスでも修正のやり取りが発生する可能性があるため、ミラサポplus運営事務局に確認を取る、あるいは専門のコンサルタントにアドバイスを求めるとよいでしょう。また、担当者と進捗状況を共有することで、複数人で作業を進める場合の連携ミスを防ぎ、「申請や報告書」に誤りが生じるリスクを軽減します。プロの意見を積極的に取り入れることが、適切な報告書提出への近道となります。

補助事業終了後の注意点

事業成果の継続的な報告義務

　補助事業が終了しても、事業成果に関する報告が求められる場合があります。これは補助金の使用が適切であったか、また、補助事業がどのような成果を達成したかを運営機関へ伝えるためです。たとえば、ミラサポplus運営事務局が指示する「事業化状況の報告」など、定期的な提出が義務付けられる場合があります。この報告書は、補助金採択後にやるべき「報告書」対応ガイドの中でも重要なステップとなるため、適切な形式や期限を守って対応しましょう。

領収証や記録の保管期限

　補助金を受けた際に発生した経費の証拠書類や、事業進捗を記録した書類は、原則として一定期間保管することが求められます。一般的に、証拠書類の保管期間は5年間とされています。この期間中に運営機関から監査対応が求められる場合がありますので、記録の整理と保管を徹底してください。紛失や破損を防ぐためにも、物理的な書類だけでなくデジタル形式でのバックアップもおすすめです。

監査対応のために備えるべきこと

　補助金実績報告の内容が適切であったかを確認するために、運営機関や第三者から監査が実施される可能性があります。この際、必要な書類が揃っていない、または記録内容に矛盾があると、補助金の返還を求められる場合も考えられます。事前に「事業実施・実績報告の手引き」に目を通し、監査で確認されるポイントを把握しておくことが必要です。支出や実績に関する詳細な記録を準備しておき、その内容が事業計画と整合性を保っていることを確認するようにしましょう。

再申請のための準備と注意

　補助金を再度申請する際には、初回の実績報告が次の審査に影響を与える可能性があります。不備があったり、計画通りの事業実施ができていなかった場合、新たな申請の採択率が下がるリスクがあります。そのため、過去の補助金申請と実績報告の内容を振り返り、再申請に必要な書類や具体的な改善策を準備しておくことが重要です。特に、「補助金実績報告」において指摘事項があった場合、それを解消するための対策を明確に示すことが信頼性の向上につながります。

投稿者プロフィール

武石大介: 公認会計士協会準会員
freee認定アドバイザー

2017年に公認会計士試験に合格し、監査法人で複数年にわたって監査経験を積んできました。また公認会計士試験の合格前後に2社設立と3つの新規事業を行った経験があります。1社事業は売却、1社はクローズしました。

現在は独立し、会計士としての専門知識と自身の起業・事業経験を活かし、会計・財務支援をはじめ、起業・経営に関するアドバイスも行っております。
具体的には、資金調達・補助金申請サポート、財務分析、事業計画の作成支援、記帳代行など、実務的かつ実践的な支援が可能です。